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らないので、先ほど申しました“常識”のところまで踏み込まないといけない。その辺で安全性を保とうとすると、どうしても“機能要件”というものに関わらざるを得なくなってきているわけであります。そんなことでこれまでのような、数値基準というものは何故、こういう理由でつくられたかとか、何故ここの板厚は何ミリ以上でないといけないのかとか、そういう議論では済まされなくなっているわけでございます。物事の判断の背景を十分に考えた上で、船を造り、operationしていかなければならなくなっている、ということ、たぶん世の中の変わり方というのは、変わらないのだろうと思いますので、是非気持ちを入れ替えて、いろんなことを考え直していただきたいと思います。
この成果報告会のプログラムを考えるに当たって、今日ご講演いただく講師の方々には、「こう決まったからこう守れ」という言い方ではなくて、「自分は何が正しいと思うか」、「他の人はどういうことを言っているのか」、「どういう状況の中で、今ある妥協の産物として一つの基準が決まったのか」という点に重点をおいて、基準の背景について十分にご説明していただきたいということでございます。講演して下さる方も、今日聞いていただく方々も、世の中の変化というものを、相当変わりつつあるのだということを十分ご認識の上、聞いていただきたいし、質問もしていただければと思うわけでございます。ちょっと突飛なことを申し上げましたけれども、どうぞ宜しくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。

 

 

 

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